内職

大きな会社で働いていた頃、自分は仕事では何のアウトプットも出しちゃいないなー、と思っていた。もちろん、ルーティン・ワークをアウトプットと呼ぶなら話は別だけど、そうではなくて、何か会社の利益につながるような結果を出したか? と言われるとなんにも出していないし、出さなくていい働き方(ハケン)をわざわざ選んでいた。いつもクビにならずに働かせてもらえたのは、問題を起こさずに周りの人とうまくやれるタイプだったから、だと思う。肝心の仕事の方は、記憶力や理解力がふつうにあれば誰でもできる(よね? )ものだったから。

最近、空き時間を利用して内職をやりはじめて(ハンダづけとかネジを箱に詰めたりしているわけではないです)(ハンダづけをバカにしているわけでもないです)(ハンダづけは…もういいって?)、否が応でも "アウトプット" を出さなければならなくなった。自分の頭の中にあるものを形にして、その対価としてお金をいただく。会社で働いていた時と比べると、自分がやったことに対してのみお金がもらえるというシステムは、とてもわかりやすい。わかりやすいんだけど、なんとまぁ、単価の低いこと! 会社で一日働いてもらえるお給料を稼ぐのに、数日かかってもまだ届かない。なんかなぁ、なんだかなぁ…と思いながら、パタパタと手を動かす日々。ま、会社で働いてた頃のお給料は、朝きちんと起きたり、通勤したり、社内でのコミュニケーション能力に対して支払われていたんだな、と思うことに…でもしないとやっていられない、ホントに。

でも、誰からもああだこうだ言われず、手を動かした分だけお金が入ってくるというのは、考えてみたら本当に気持ちがいい。もう少し稼げると文句ないんだけど、とりあえず、しばらくはつべこべ言わずにがんばってみようと思っている。