ブライダル産業の抱き合わせ商法


ドレスでは様々な問題を抱え込んだ私でしたが、一方で"本当によかった!"と思えたこともあります。それは、自分がいつも行っている美容室の、大好きな美容師さんにヘアメイクをしてもらえたこと。
日本では(海外のブライダル環境については調べていないので、よくわかりません)、ある会場で結婚式・披露宴をやることに決めたら、ドレス・ヘアメイク・装花・引き出物・写真・etc…あれもこれも、その会場(もしくはプロデュース会社)の提携企業にオーダーするように"誘導"されます。つまり、Aという会場で結婚式をあげたら、提携のフラワーショップBでブーケをオーダーすると3万円也。でもそれは気に入らないので、別のフラワーショップCの5万円のブーケを使いたいとします。そうすると、"持ち込み料金"なるものが発生(例えば5万円)し、提携ショップなら3万円で済むところが、10万円かかってしまう、というわけ。これはけっこう痛いですよ。ドレスやメイクだと、場合によっては持ち込み料だけで10万円するところもあります。ひどい話です…って、もともとあまりこだわりのない人なら、全部1か所で決められるからむしろ楽チンなんですけどね。

でもヘアメイクってドレス同等に大事じゃありませんか?会場提携のスタイリストなんて、どんな人に当たるかわからないし、たった1回のリハーサル(ブライダルメイクは、事前にリハーサルをやります)で自分の好みを伝えられるとは限らない。リハであまりにも意思疎通ができず、ショックで泣き帰り、結局持ち込み料金を10万円払って自分の好きなスタイリストにやってもらったって人、いましたよ。私は完全にそういうものから解放されたフリーダム結婚パーティだったので、私のシュミを完全に理解した美容師さんに気兼ねなくお願いすることができたのでした。
花嫁姿になっていく過程って、短いながら、とても幸せで思い出に残る時間だと思います。その美容師さんのところにはもう何年も通っていて、もしかしたら友達よりも私の様々な事情(笑)について知ってるのでは?っていうくらい、ざっくばらんに色々な話をしてきました。そんな彼女とキャッキャ言いながらメイクと髪を仕上げてもらう時間は、本当に本当に楽しかった。そして、これまたここ数年の私の様々な事情(-_-)を共に喜び悲しんでくれていた親友のひとりが、美容室に私を迎えに来てくれたことも、実に貴重な"持ち込み料フリーオプション"だったと思います。そう、会場がライブハウスなのでファンシーな"花嫁控室"なんてものはなく、フツーに外部の美容室でヘアメイクをしてドレスを着て、タクシーで会場へ向わなければならなかったので、お迎えをお願いしたのです。花嫁姿ができあがった私を見た瞬間、(感動で?だよね?)「…!」と言葉を失った彼女の顔、お互いにあれもこれも、いろんなことが思い出されて、お互いに感極まってしまったあの短い時間は、パーティ以上に鮮烈に私の心に残っています。

こだわらない人にとっては本当にどうでもいいことだと思いますが、せっかくの結婚を祝うシーンなのだから、これから結婚式をやる人には、やりたいことがあるならば、なるべくたくさんのことを実現させてほしいと思います。でも今、日本の結婚式場でそれをやろうと思うと、オリジナル要素を入れれば入れるほどお金がかかってしまうという妙な構図になっているのが現実です。私のように、プランナーさんも何もない完全オリジナルパーティにするのも1つの案ですが、それはそれでものすごい大変なんですよね…(別途記載予定)。型通りにやると何百万円もかかってしまうジャパニーズ・ブライダル、もう少し何とかならないものかな、と思うのですが。ちなみに前述の"持ち込み料金"に関しては、実際に問題にもなっているようなので、これからはスタイルが変わっていくかもしれませんね。ブライダル産業の価格破壊も進んでるみたいだし。