アロマテラピーで認知症予防、一考

2月にインターネットのニュース欄で「アロマで認知症予防」というタイトルを目にしました。その瞬間、「でたー、アロマテラピー協会か何かのマーケティング!」と思ってしまった。これ、また納豆とか鯖缶みたいに、店頭からアロマテラピー用品がなくなるんじゃないのー?ってね。果たして結果はその通り、アロマテラピーグッズを扱っているお店では、紹介された精油アロマテラピーに使う植物の天然成分)が品切れ続出とか。たのむよー、普段から使っている人が買えなくなっちゃうじゃないの。いや、それより何より、多少アロマテラピーをかじった人間からすると、安易に精油を使うことは事故にもつながるし、ホントやめてくださいね、と思います。テレビを見て、認知症の予防になるという精油の名前だけを憶えて、テキトーに使っちゃうご年配の方とか絶対いると思うんだよ。「オイルだから」とか勘違いして(※精油は油脂ではなく、植物の成分をこれでもか!これでもか!と凝縮したエッセンス)、柑橘系の精油をダイレクトに湯船に浮かべてみたり(肌が真っ赤に炎症おこしたりします)、レモンの精油を顔につけたりとか(希釈してあってもシミができます)、しちゃうかもしれない。テレビではそういう禁忌事項をしっかりと説明したんだろうか?いや、当然説明はしてるんだろうけど、認知症予防!っていう部分にしか目がいかない視聴者ってたくさんいると思うし、あのテレビをみたおばさまがヨソのおばさまに「ちょっと、知ってた〜?」って伝える時には、禁忌事項なんて間違いなく忘れ去られていると思うんですよね。納豆や鯖缶とはわけが違うのだから、あまりセンセーショナルに取り上げるのは感心しません。それに、一概に認知症を予防できると言い切れるのでしょうか?アロマテラピーは、その香りが苦手だったら効果も半減どころかむしろ体調を悪くする原因にもなります。うちの母なんてその典型で、私が部屋で調合しているだけで「この匂い!なんとかして!」というようなタイプでした。そんな人に精油を使うのは逆効果だとも思います。

精油というのは一歩間違えると死に至ることさえある、強力なパワーを持ったエッセンスです。一滴、二滴の世界なんです。ぽとぽとぽと!ってたくさん入っちゃって、「まぁいいか」では危険なのですよ。それがどういうモノなのか知ることもせず、「認知症の予防になるんだって!」と安易にとびつくその態度の方が、認知症まっしぐらという感じがしますが、どうでしょうか。。精油とは何か、正しい使い方、忌避事項などをしっかり学んでみようというその姿勢こそ、よほど認知症予防につながるかも、しれません。

ご年配の方がわけもわからず精油を買い求めていると聞くと、本当に心配になります。ここはひとつ、ブレンド希釈済みのアロマテラピーオイルを購入されることをご検討ください。いや、きっと既に販売しているんだろうけどね。もしくは、あなたを心配するお子さまやお孫さんから、ブレンド希釈済みのものをプレゼントしてもらってください。ちょうど先日、友人から「両親にプレゼントしたいから」と精油について質問を受けました。そういうの、素敵だと思います。誰かのためにブレンドする思いやり、それを受け取る喜び。それもアロマテラピーの重要なエッセンスだと思うので。

しかし大学で研究された結果とはいえ、レモン、スイートオレンジ、ラベンダー、ローズマリーって…これまたお求めやすい精油ばっかりもってきましたね。「バラの精油が何かに効く」ってなったとしても、5mlで1万円もする精油じゃ、売れないもんね〜:P

とかなんとか語っても、私の精油コレクションは何年たっても初心者的なものばっかりなんですが、日々、化粧水やルームフレッシュナーを作って楽しんでいます。正しい知識とともに、enjoy aromatherapy!