カーネーション

(見てない人には全くわからない内容で、えらいすんまへん)

連続テレビ小説 カーネーション (NHKドラマ・ガイド)
「朝ドラ」は、完全におばちゃんの見るものだと思っていた。それが、こうして録画をしてまで見ることになるなんて…
え?これってまさか自分がおばちゃ…いやいやいや、違う。違うんです。「カーネーション」には、今までの朝ドラにはありえない(って、今までの朝ドラ、ちゃんと見てないけど)センスの良さがあった。主演のオノマチさんの演技はもちろんのこと、音楽(ああ、敬愛する佐藤直紀さん!)、プログレッシブカメラの映像、いたるところに、センスの良さがあふれていたと思う。とにかく、ちょっといつもとは違う朝ドラだった(←過去形)。

しかし、エピソードのメインが糸子(オノマチさん)から娘たちに変わってからは、いままでの「普通の朝ドラ」っぽくなってしまいましたね。まぁいいんだけどね。それまでのがあまりに衝撃的に面白かっただけに、ちょっと残念でした。

そんで、ドタバタのまま話が進んでいくのかと思いきや、途中でまさかのラブストーリーモードへ突入。主人公のモデルである小篠さんは、実際には、20年間もその妻子ある男性との関係が続いていたそうですので、「エネーチケーの朝ドラという枠で、これをいったいどう取り扱うのか…」と訝っていたのです。しかし、結果的には、素晴らしい(かつ、切ない)仕上がりになっていて、たぶんあれなら、「朝ドラで不倫なんてどういうつもり!?」とかいうつまらん苦情は最小限にとどめられたのではないでしょうか。見ていてもう、苦しくて、嬉しくて、幸せで、切なくて、追体験の嵐。ラブストーリーでこんなに揺さぶられたのは、何年ぶり?というくらいに胸が苦しかった。。
周防さんが、桜の枝を持ってきた糸子を抱きしめるシーンでは、私の周囲で見ていた友人たちも皆悶絶、床を転げまわっていました(切なすぎて)。実際私も、椅子に座ったまま「ヒャー」って後ろへ倒れましたし。(嘘やで!)

いいドラマだったな(←過去形)。毎年、この桃の季節になったら、見返して「恋をしたく」なるドラマかもしれません。素敵な作品を、どうもありがとう。