働くということ

※え〜、最近は看護婦さんのことを「看護師」って言いますが、ここではあえて看護婦と記載させていただきます。


「nacciって看護婦似合うと思うんだけど!性格も制服(ぷっ)も。」と、先日 友人に言われました。(確かに昔からたまに言われる)
が、私は、「看護婦さんになりたい♡」とか思ったことは、子どもの頃からただの一度もありません。考えたこともありません。

その友人となぜそんな話になったのか。
彼女自身が、「看護婦になりたい」と言い出したからです。彼女は、日本人なら誰でも知っている有名大学を卒業し、日本人なら誰でも知っている有名企業に就職し、「昭和のサラリーマン」並みにバリバリ働く企業戦士。そんな彼女がなぜ看護婦?と思われそうですが、以前から『人を助ける仕事がしたい』という気持ちが強い人であったこと、大企業の社員でも一寸先は闇かもしれない不安定な世の中に生きていること、を考えれば、彼女がそういう考えに辿り着いたのも不思議ではありません。いわゆる「手に職を」というやつですね。
彼女の話を聞くとなかなか面白いです。どうやら、「冒険心や向上心の要らなさそうな仕事」が嫌いらしく、「公務員」とか「医療事務」とかを進んでやる人の気がしれない模様(もちろん「アツい公務員さん」もたくさんいると思うけど、、、)。薬剤師に至っては、「医者に言われた薬を棚から出すだけじゃん!なにが面白いのか」と。「面白みはないけど稼ぎのいい仕事」につく人の思考が信じられないみたいです。

一方、この話を聞いて、私自身は「公務員」や「薬剤師」に対してとても肯定的であることにあらためて気づきました。少なくとも、ガツガツ仕事を取ってくるような職業よりはずっと私に向いていると思うし、「面白くない」とも思わない。(薬のこと何でも知ってるなんて、それだけでもワクワクしちゃう!しかも命に関わる、責任ある仕事だし。)
で、「職業」について考え始めた頃の自分てどんなんだっけ?とふと振り返ってみたわけです。そしたら、なんだかずいぶん「思い上がった」というか、嫌なヤツが見えてきましたよ。。。 私は、「勉強ができなくても就ける職業」が嫌だったのです。「ハイクラス公務員(笑)」とか、「薬剤師」って、ある程度お勉強ができないとダメな感じでしょう?それに対して、「看護婦」とか「栄養士」って、当時の私の中では「勉強ができなくても就ける職業」だった。ホントに失礼な話ですが。だから、選択肢にもあがらなかったんだな〜という事を思い出しました。看護師の資格、栄養士の資格、今思えばかなり「手に職」系の役に立つ資格だし、持っていれば色々な世界で活用できるものなのにね。当時はそんなことには思い及ばなかったな〜、、、。当時の私は、口にこそ出さなかった(思ってもいなかった)けれど、無意識のうちに「職業に貴賤あり!」と思っていましたね。

職業に貴賤はない。働く人の心持ちにこそ、貴賤があるのだと今は思います。わかりやすく「人の役に立っている」仕事でなくても、まずは「あなたの隣の人」を笑顔にさせるような働き方をすれば、それは色んな人を助けることになるはず。そして、自分のためにもなるはずです。いま一緒に仕事をしている人が、そういう気持ちを私の中に芽生えさせてくれました。

何のために働くんだろう?って、きっと色んな人が色んな意見を持っていると思うし、ひとつの答えはないでしょう。私も、前まではよくわからずに漫然と働いてきた。でも、今なら、ひとつはっきりと言えることがあります。それは、私は自分の成長のために働けばいい、ということ。重要なのは、どんな仕事をしているかではなく、どういう働き方をしているかということ。雰囲気的に「カッコいい業界」的なところで、しかも外国と関わっての仕事を続けさせてもらっている私が言うのはなんだか説得力がない気もしますが、「大企業」から離れてみて、身近な人から学び、ようやく分かったのです。どんな仕事に就いていても、自分が自分を大切にし(これが一番大事かも!)、日々成長しながら誠実に目の前の事をやっていれば、結果的にちゃんと人の役に立つのだということが。「望む職業」に就けている人は、そのためにこつこつ努力してきたことの結果だったり、神様からのプレゼントだったりするのでしょうから、それはそれで素晴らしいことだと思いますよ。


↑うわぁ〜、真面目な内容(笑)。
いつも、色んな事について考えるきっかけを与えてくれる、「看護婦になりたい友人」に、感謝。どうみても医者タイプなので、看護婦さんは、向いてないと思うけどね。