映画「ノルウェイの森」〜ワタナベに恋をして

ノルウェイの森。みてきました。推定8回ほど読んでおり(前回記事)
、自分の中にその世界が出来上がっているだけに、映画はガッカリするのではと危惧されていましたが(誰によ?)、キャストをみた時にピンときた自分の感覚を信頼し、はりきって初日に鑑賞。
果たしてその結果は…



「非常に秀逸」。

私の中にある「ノルウェイの森世界」をひとかけらも傷つけることなく、かつ香りたつ程に美しく撮られていたと思います。もちろん、原作そのままという訳ではないので、自分の大好きなシーンが入ってないとか(因みに私の大好きなシーンはことごとく入ってなかった)の惜しさを感じる人は多いかも。でも私にとって重要だったのは、私の原作世界がぶち壊されないという事であり(「サヨナライツカ」があまりにショッキングだった後遺症?)、そういう点において、今回の映画は「もう一つのノルウェイの森」として、原作のファンも素直に楽しめる内容になっていたのではと思います。
永沢さんやレイコさんのバックグラウンドに全く触れていないあたり、原作に思い入れのある人の中には許せない人がいるかもしれない。二人ともすごく重要な人物だから。でも、今回のこれに関してはこれでいいんじゃないかな?とさえ思えました。主演の二人があれだけ魅せてくれれば充分かもしれない。


とはいえ。
この映画、ダメな人には本当にダメだろうなぁ。当の主演ふたりの演技がどうにもダメという人がたくさんいそう。




いずれにせよ、細かいレビューはそういうのが得意なブロガーにおまかせするとして、簡単な感想をひとつふたつ。
まず、I almost fell in love with 松山ケンイチ。ワタナベを演じる彼を見ていると、ハートがゼリーのようにふるふると揺れるような、「あっ、私この人を好きになるかも…」的な甘酸っぱい感じに襲われる。そら、小雪もケンイチに惚れるわなぁ〜と納得。ケンイチ君の「もちろん。」「そだよ。」とかの短いセリフに、いちいち撃沈されました。スクリーンの中の人に恋をするなんて、全く…。(こないだ伊勢谷友介に一目惚れしたばかりでは?)

更に。「ノルウェイの森」は、セックスシーンと切りはなすことが不可能な物語だけに、そういうシーンで映画が台無しになる可能性も充分あったはず。でも、この映画ではそこも成功していたと思うのです。ラブラブなシーンでもなく、乱暴な…でもない、本当に微妙なあの世界が見事に表現されていた。と、思う。


「細かいレビューはそういうのが得意なブロガーに任せる」とかいって結局細かいこと書いてしまった。まぁいいか。


何かがバラバラに砕け散って、かけらが心につきささるようなラブストーリーです。たくさんの人に感想を聞いてみたいな、と思います。