絶・対・音・感

バスの車内で、「娘に絶対音感がつかない」と嘆いているお母さんがいました(盗み聞きです)。一流ヴァイオリニストにでも育てるつもりでないなら、絶対音感なんて要らないですよ、とつぶやく私(心の中で)。絶対音感無くても、音楽は楽しめるんだから。
なにより、この私には、絶対的に、「絶対音感」が無い!皆無!!!ゼロ!!!!!


世の中の人を3つに大きく分けると、下記のようになると思う。
絶対音感ある系の人」
相対音感ある系の人」
「全然音感が無い系の人(笑)」

さて、よく聞く言葉ですが、絶対音感とは何でしょう?私なりにわかりやすい例を考えてみました。
「い〜しや〜きいも〜」と焼き芋屋さんがやって来たとします。ここで、ピアノの鍵盤を前にし、何のためらいもなくさっき聞こえた通りの「い〜しや〜きいも〜」を弾ける人が、「絶対音感のある人」です。一方、「相対音感(こんな言葉はないと思うが)のある人」はどうなのかというと、ピアノの鍵盤を前にし、「え〜と、どの高さかわかんないけど」と言いながら色んなキー(ドレミ〜ミレレ〜、かもしれないし、レミファ#〜ファ#ミミ〜かもしれないし、ソラシ〜シララ〜かもしれない)で弾ける人です。
もっと簡単に言うと、カラオケで、いわゆる「原曲キー」から上げたり下げたりしてしまうと、「ん?」と違和感を感じる人が絶対音感ある系で、キーの高さに無頓着な人が相対音感ある系です。私は、決定的に後者です。好きな歌手の曲がある日突然違うキーで流れてきても、たぶん私は全く気づけない。一方で、伴奏と歌のピッチ(高さね)のズレには執拗なほど手厳しい(って自分で言うのもなんだが)。

音楽をやる上で、どっちがいいとかいう事はないと思ってます。絶対音感があれば楽譜を書いたり耳コピするのが楽ちんでとても便利だと思う反面、歌を歌ったりする時にフレキシブルに高さの変化に対応できないのは大変そうだし。あっても無くてもどっちでもいいんです。思えば私は子どものころから絶対音感が皆無だったな。。ソルフェージュの聴音(目隠しをして、先生が弾く音やコードを当てる)なんて、「全く」わからなかったからね。もちろん今でもわからないけどね。あれは鍛える方法がなにかあるのかしら?「できるようにならないもの」には子供のころから全く興味がなかったので、聴音に関しては完全にスルーしてきた結果、「絶対音」の感覚を持たない私ができあがりました。それでも何の苦労もなく音楽を楽しんでいるし、それどころか「中途半端な絶対音感」なら無い方がいいとさえ思っているので(キーが変わるだけで曲が違う曲に聞こえたり、アカペラやっても協調性がなかったりする。めんどくさくて仕方ない)、冒頭のお母さんの娘が音楽を嫌いにならなければいいなぁ、と願うばかりです。



ただギターをやり始めて毎回チューニングをするようになったら、「絶対音感があればチューナー要らないんだなぁ」と少しうらやましくも思ったりする今日この頃。Aの音(ラ)だけでも記憶できればと思い、最近毎日音叉でA音を聴いているのですが、一向に記憶はされないもよう。
↓これが音叉(おんさ)です。鳴らすとA=440Hzの音が鳴ります。1ヵ月くらい聴きつづけたら、記憶できるかしらん?