結婚詐欺から立ち直る方法

後輩草食男子の ぼん(仮名)が、「女にひどい目に遭わされたから飲みに連れて行け」と言う。どうせ悪酔いして話すどころじゃなくなることがわかっているので、非常〜にめんどくさい。そして私は飲みに行く体調じゃない。しかし、「話を聞いてくれないと俺は山崎川に飛び込む」とか非常に中途半端なことを言うので、仕方なくつきあってあげることにした。


ぼんは結婚詐欺に遭ったのだとしきりに嘆き、憤慨していたけれど(そして確かにひどい女だったのだけれど)、私から見れば、ぼんがポイと彼女に捨てられただけなのだ。かわいそうなぼんだけれど、そんな話はそこいら中にいくらでも転がっているんだよ。詐欺だなんだと騒いでみても、結局そんな女にひっかかったのは君自身だ。言うなれば君の責任。

nacciさんはわかってないぃぃぃ!と、いい加減酔っぱらったぼんがクダをまきはじめたので、黙らせたくなって(笑)、私が人生で経験してきた様々な出来事を話して差し上げた。相手が酔っているのをいいことに多少話に尾ひれをつけて大げさに話したとはいえ、事実の部分だけでも世の中の90パーセントくらいの人は経験せずに済むような類の話だ。聞いているぼんの顔が、怒りとも何とも言えない感情で引きつっていく。ちなみに酔っているのでいちいちリアクションがでかい。黙らせたわ!と勝利の気分を味わっていたら、でました、土下座。「nacciさん、俺の負けです!すみませんでした!」やめてー、傍から見たら浮気をした男が彼女に謝ってるみたいな図になってるから。「色々あったからこそ、nacciさんは妙に悟っているんだねー。生まれつきじゃなかったんだ」と、ひとり納得していたぼんですが、たぶん覚えていないでしょう、ほとんど。この酔っ払いが。

ぼんは今、すごく腹が立っていると思う。他人に話せば、「ひどい女と付き合ってしまったんだねー」と同情されることでしょう。でも、元をたどれば全ての責任は自分にいきつくと思うし、怒る気持ちも少しずつだけど小さくなっていくと思うんだ。それで、その「ひどい女」が、結果的には自分に色々なことを教えてくれたんだなー、と思えるようになった時、ぼんはひとつ大きな階段を上っていることに気づくはず。それができなきゃ、君はいつまでも同じ段で同じ過ちをおかしつづけることになるんだよ。




誰かに対してものすごく腹が立つとか、怒れるとかってあると思うけれど、今の私は、昔に比べてそういう事がすごく少なくなっています。色々な経験や本から学んだり、一歩先行く人々が教えてくれたりした、「怒りの振幅がだんだん少なくなる方法」がこれ。↓

・他人をジャッジしないこと。
「あの人は○○だからダメな人間だ」「あの人は△△だから自分よりレベルが下」とか、ジャッジをしない。人って案外これをやってしまいがちです。私も、頭で理解してから実際やれるようになるまで1年くらいかかってると思う。いや、今でも時々してしまう。
他人をジャッジしなくなってはじめて、「ジャッジすることで自分がどんだけ振り回されるか」に気づいたり。


・「『他人のせい』なんて実はありえない」と理解すること。
これはあまりにスピリチュアルというか壮大な話になっちゃうんでアレですが、「宇宙の法則」というやつですね。プラスの想念はプラスの想念を、マイナスの想念はマイナスの想念を引き寄せる。「あの人はいつも私に対して腹の立つ言動をする!」という人がいるならば、それは自分が引き寄せている、自分の側に原因があるということ。ちなみにこんなことエラそうに書いているけど、私はこの考え方を受け入れるのにやっぱりものすごい時間がかかりました。時間がかかったどころか、むしろその考え方自体に腹を立てていた、みたいな(笑)。「んなわけねーーーだろ!相手が悪いに決まってるだろ!」と思ってたよ。ふふ。


・腹の立つ相手に感謝してみる。
あんなことされた、こんなこと言われたから、勉強させてもらった… とか、気づかせてくれてありがとう、とか。これは意識的にやってるとできるので、案外簡単。



いやいやいや、なんだか書いてしまったら本当にエラそうだ。読んだら腹の立つ人がいるかもしれない。でも、少しずつこういうことを積み重ねてきた自分が、いまびっくりするほど穏やかな環境で毎日を過ごしていることを思ったら、実践してみる価値はちょっとはあるかもしれません。
でも、やり方を間違えてDV被害者とかにはならないで下さいね・・・「彼は悪くないの!私のせいなの!」的な。

ぼんが幸せになりますように!ねえちゃんはいつも祈ってるよ。