色のない花火


なんで色がないねん
こんな近くで花火見てんのに



なんで好きな人とやないと
こんな違って見えんねん



ひとつ前の花火が残した煤が
ブラックホールのように
次の花火に穴をあける
あたしにはその暗い穴ばかりが
よう見えてしまうんよ



大好きな人とみた花火は
もっとずっと遠くからでも
あんなに色づいて見えたのに
なんでなん?



こんな近くで見てんのに
なんでなん?



ごめんな
あたしの隣におる
あんたのせいやないねん
ごめんな
でも



すきなひとと見たいねん
背中にその人感じてな
腕まわしてもらってな
見たいねん



ほんと、ごめんな。