☆季節風 秋

季節風 秋 (文春文庫)

季節風 秋 (文春文庫)

「泣けるよー!」とすすめられた本を前にすると、どうも身構えてしまいます。どうせ泣かす気マンマンの文章なんでしょ?って。自分には自分だけの感動ポイントがあるわけで、なにか本を読んでいてたまたまそういうものに出会ったときにすーっと涙が出るのが気持ち良いのです。だから最初から"家族愛!"とかそういうのがわかっちゃってる本はもう、なかなか読む気になれません。そういうのはわざわざ本で読まなくてもいいし、あえて言うなら「本が苦手で・・・でもこれから読書をはじめてみたいんです!」って人にはいいかもね、みたいな。そういう、かわいくないことを思ってしまいます。

でも、読んでみました。本屋で「感動!」とか書いてあっても手には取らないけど、仲の良い友人にすすめられた本は、素直に読んでみる方です。ご縁ですからね。

・・・。
泣くでしょーーーこれは(笑)。
短編集なので、「はいはい、これは結構です」っていうのもあるけれど、自分にひっかかってくるストーリーがどこかにきっとあります。基本、親と子が出てくる話なんだけど、どういう形であれ親なくしてこの世に存在している人はいないので、全部読めばだいたいどこかで自分とリンクする何かが出てきて涙がでます。

ささっと読めてしまうので、秋の夜長に温かい飲み物でも片手になにか読みたい時、もしくは「いま泣きたい!」時に、おすすめかもしれません。