☆あさきゆめみし(マンガ)

あさきゆめみし 1 完全版 (KCデラックス) あさきゆめみし 10 完全版 (KCデラックス)
つい、ついうっかり本棚の『あさきゆめみし』を手にとったら、最後まで読んでしまった…。おなじみ、マンガ版の源氏物語ですね。マンガとはいえ、トータルで6時間以上読んでいたことになる。いやぁ…無駄なような、豊かな時間。この先一ヶ月くらいなら、「源氏物語クイズ」出されてもかなりいいとこまでいけると思います。「光源氏が須磨に流された経緯を述べよ」とか「宇治十帖の主要登場人物の名をあげよ」とか、全部答えられちゃう。

源氏物語っていつも、フェミニストからやり玉にあげられるのですね。女性蔑視だ!とか、日本の恥だ!とか。でも、それって、現代の他国の文化にイチャモンをつけるようなもので、今と平安時代の日本では全く慣習が違うのだから、仕方ねぇでしょ。「俺は光源氏を目指してるから、浮気しまくるぜ!」とかいう人がいた場合に、「紫式部もしょーもない作品を残してくれたもんだ」とグチるくらいならわかるけど。

とにかく源氏物語には罪はなく、私はこのお話、けっこう好きです。現代の昼メロやソープオペラに勝るとも劣らないドロドロストーリー。バリエーションに富むキャラクター。ちなみに登場人物は多すぎて、一回読んだだけじゃ覚えられない。しかも『あさきゆめみし』では各キャラが『タッチ』や『キャプテン翼』並みに「同じ顔」であり、髪型さえも基本的に同じなので、識別が非常に困難です。それでもわずかな特徴をつかんで、私は完璧にマスターしました!
…しかし読み込むにつれて、様々なところ(しかも昼メロ的な部分)に細かい疑問が生じてきます。例えば、読んだ限りではどう見てもセックスレス仮面夫婦だったはずなのに、妻が身ごもったと聞いても全く驚いていないのはなぜ?とかね。これは同じ疑問持つ人いるにちがいない!と思って検索したら、やっぱりいた(笑)知恵袋(笑)
源氏物語の内容を知らない人には意味不明とは思いますが→「源氏物語について質問です。女三の宮には、夫である光源氏の「お手」はついてないのでしょうか?」って。まぁ〜、こんな下世話な内容も「お手がつく」なんて表現だとやんごとない感じがして、いいですね。回答は「そんな訳がないでしょう。お手つきですよ」というのが大半でした。当時の慣習みたいなものまでしっかり理解して読まないと、やっぱりマンガはわかりやすい…と言っても限界があります。

そんなわけで途中色々と調べながら読み進めた『あさきゆめみし』でした。だいたい、女性だと「自分だったらどのキャラになりたいかなぁ」とか考えるんですが(えっ、考えない?)、私はヒロイン中のヒロイン・紫の上にはなれないなぁ。物語の中で紫の上自身が悩んでいるように、「殿の愛におすがりするだけの人生…それは幸せなのかしら?いや、そりゃあ幸せよ!殿にあんなに愛されて。でもでも…私いつか飽きられちゃうんじゃ?その前に出家したくても、それさえ許してもらえないし」みたいな「幸せだけどいつ捨てられるか不安」な生き方よりは、朧月夜(←なまえです)のようにボロボロになるような恋をして、自分で生き方を決め、最後きっぱり俗世との縁を絶つ、みたいなのが好きだなぁと思います。しかし奔放な朧月夜とはいえ、平安時代の女性である限り、かごの鳥であることには変わりない。昔も今も、楽じゃないよなーーー。と思います。男も女もね。