☆学問のすすめ

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

べつに慶応ボーイが好きとかいうわけではないのですが(いや、嫌いじゃないのも確かなんですが)、それとは関係なしに、名著「学問のすゝめ」by 福澤諭吉。なぜ今これを手に取ったか?
今年の誕生日の頃、友人errrrrrrricoさんに「nacciのこれからの1年の抱負は?」と聞かれました。その時「天啓」が…。宇宙から私の頭のてっぺんを通って勝手に口から、「一身独立!」という言葉が出てきたのです。という訳で、すぐ買って読んださ〜。

「一身独立」。「坂の上の雲」で、「学問のすゝめ」を肌身離さず持っている主人公の信さんが、読んでは繰り返し言っていた言葉です。「一身独立して一国独立す」、つまり国民ひとりひとりが独立して、はじめてその国も独立する」というあれ。

読んでみたところ、「いや、それは違うだろ…」という点も所々あるにせよ、現代に私が読んでも全く違和感のない内容でした。「仕事場の人間関係に悩むあなた、恋愛で悩むあなた、家庭で悩むあなたへ、答えをくれる一冊です!」って宣伝したいくらい。

「独立」と言っても、ここで書かれているのは所謂「独立」というよりはむしろ、「自分の人生に自分で責任を持つ」とか、「自分で自分の人生を生きる」とか、そういうことでしょう。以下、引用。(斎藤隆教授の訳文なので、諭吉先生の原文よりはわかりやすい文体になっちょります)

独立の気概がない者は、必ず人に頼ることになる。人に頼る者は、必ずその人を恐れることになる。人を恐れる者は、必ずその人間にへつらうようになる。

↑全ての人間関係にあてはまるのがすごいなと思う。一番わかりやすいのはやっぱりレンアイ関係だけど。私が男だったら、たぶん彼女にこの本読ませるなぁ(←かなりめんどくさい男)。でも男であれ女であれ、「依存」はそこかしこに見うけられる光景である。人でも国でも、「よい関係」は依存しないこと、つまり「独立」から生まれるのだろう。

人民は国のもともとの主人であって、政府へこの国をまかせて、公務を取り扱わせる約束をして、損得ともに引き受けることになっているのだから、ただ金を損した時だけ、役人の不手際をあれこれ議論してはいけない。

↑「損得ともに引き受ける」というところに「ハッ」とさせられた。守ってもらっていることを忘れて、不手際があった時だけ大仰に文句を言っていませんか?お母さんに、上司に、あなたの国に、、、、、。


わたしの結論:
一身独立すれば、心の自由を獲得する。自由とは、常に責任を伴うものだ。それでいて、素晴らしい。

100年経っても残っている本というのは、やっぱり読んで損はない。